これから結婚を考えている方へ
すべての方につくっておいていただきたいもの、それは「遺言書」です。
「婚姻契約書」は、お互いに相手への気持ちを確認して伝え合うツールとしての作成をオススメします。
形式的には、役所で婚姻届を提出するだけで、おふたりは夫婦として認められ、結婚生活はスタートします。
とても簡単な手続きです。 簡単だからこそ、もしものときのことを心配しておく必要があります。
相手のことを大切に思っているのであれば、「遺言書」は残しておきましょう。
子どものいない若い夫婦こそ、遺言書は必要です!
さらに、ふたりで決めておいた方が良いことがたくさんあります。お金、家事分担、親との同居、子どものこと、不貞行為があったときのこと、お墓のこと、宗教のことなどなど。
ふたりで納得しているのであれば口約束でも構いませんが、「婚姻契約書」というカタチに残しておくこともできます。
堅苦しいかもしれませんが、あいまいになりがちなことがらについて書面のカタチで残しておくことで、おふたりのお互いに対する信頼や愛情を確認することにつながります。

結婚と遺言
子どものいない若い夫婦こそ、遺言を残しておくべき
遺言は、パートナーに対する愛情表現のひとつととらえましょう
結婚早々に遺言とは、縁起でもないと思われるでしょう。
しかし、考えたくもないことですが、もしあなたが万が一の事故や病気で亡くなってしまったとき、愛するパートナーはひとりで残されてしまいます。
その時、あなたに何が残せるでしょうか。
あなたの資産(たとえば、あなたの名義で購入してふたりで住んでいるマンション)は、あなたが亡くなったとき、だれがそれを相続することになるでしょうか。
残されたパートナー?
実はあなたのご両親にも、法定相続分として3分の1の権利があるのです(もし両親が共に亡くなっていたときには、あなたの兄弟姉妹に4分の1の権利があります)。
もし、パートナーとあなたのご両親(またはご兄弟)の関係が悪かった場合、相続のことでもめてしまえば、パートナーが住む家を失ってしまう、ということもありうるのです。もし、今は関係が良好だったとしても、あなたの死をきっかけに一気に崩れてしまう可能性も十分にあります。
そんな事態を防ぐことができるのが、遺言書です。
遺言書は、あなたのパートナーを守るためのもので、パートナーに対する愛情表現のひとつなのです。
関連ページ:遺言

事実婚・同性婚を考えている方へ
事実婚・同性婚の場合は、いわゆる法律婚の場合は当然に認められるパートナーとしての権利関係が認められないことが多い
ふたりの関係を証明し、対外的にアピールできるための書面を準備しておくことが必要
具体的には、次の準備をオススメ
・遺言書
・「準婚姻契約書」または「同性パートナーシップ合意契約書」
・医療に関する意思表示書
・任意代理契約書(財産管理など)
・任意後見契約書
いくら夫婦同然の生活をしていて、ふたりで築いた財産があったとしても、法的には赤の他人です。
事実婚・同性婚の場合、パートナーに相続権はありません。
一方が亡くなったとすると、亡くなった方の名義になっている財産は法的な相続人のものになります(具体的には、亡くなった方の子ども、子どもがいなければ両親、両親もいなければ兄弟姉妹が相続人になります)。
これだと、残されたパートナーの生活が守られず、最悪、住む家さえも奪われてしまうという結果になりかねません。
パートナーに財産を残すという遺言書を残しておけば、そんな事態を防ぐことができます。
「準婚姻契約書」・「同性パートナーシップ合意契約書」は、内容的には婚姻契約書と同じものです。
あくまでも2人の間での契約ですので、対外的な効力を持つものではありませんが、
婚姻届を提出しない(できない)2人の意思をお互いに確認する上で、法律婚の場合よりも重要なものであるといえるでしょう。
また、法的な意味で家族とは認められていないので、緊急時、家族ならば当然に認められるであろう病院での面会や医師から病状を聞くことなどが制限されるケースが考えられます。
「医療に関する意思表示書」は本来、尊厳死に関することがらや延命治療に関する意思表示を目的としたものですが、パートナーとの関係を表明するために使うこともできます。
法律婚の場合は、夫婦の財産は共有であり、お互いに代理権があるものと考えられますが、事実婚・同性婚の場合はそうはいきません。
例えば、病気や怪我で動けないパートナーの代わりに銀行からお金を引き出したり口座を解約したりするためには、本来はその都度委任状を書いたり、代理権を付与するような手続きが必要です。
こんなときに有効なのが、「任意代理契約」や「任意後見契約」です。
これについては こちら を参照してください。
